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鉄でスタミナをアップする







スポーツ界では最近、カルシウムと鉄に対する関心が集まっています。

しかし、ビタミン の場合と同じように、ミネラルの不足や欠乏の認められないスポーツ選手に、ミネラルを とくに投与しても、スタミナの増大が得られるという科学的根拠はありません。

しかし、 最近のスポーツ選手についての調査では、女子選手の二五パーセント、男子選手の一○パ ーセントが鉄不足であると報告されています。
このような鉄不足の選手に鉄剤を投与する と、スタミナの改善がみられます。

鉄は、スポーツ選手のスタミナを最もよく示す最大酸 素摂取能を左右するミネラルです。

最大酸素摂取能とは、最大限の努力で五分間程度続け る運動をするときに、その人が体内に取り込むことができる酸素量です。

要するに、酸素 をどれだけ体内に摂取できるか、どれだけ筋肉に酸素を送り届けられるか、筋肉はその酸 素をどれだけ貯蔵できるか、そして、筋肉のミトコンドリアがどれくらい酸素を消費しな がら脂肪やグリコーゲンを分解して、どれくらいのエネルギーを生産できるか、これらの 機能を総合したものです。

酸素摂取能力は、専門とするスポーツの種目の違いによって大 きい差があります。

マラソン選手やボート選手、自転車選手などは高く、一○○〜二○○ メートルのスプリントの選手やウエートリフティングの選手などで低いのが普通です。

こ の能力は体内の様々な生理・生化学的な状況を反映しています。

各種のトレーニングが最 大酸素摂取能を高めるために工夫されている理由は、すべてのスポーツがスタミナを基礎 とするからです。

ところで、体内で酸素が利用されていくプロセスには、ミネラルの「鉄 」が密接な関係をもっていることを御存知でしょうか。

まず、空気中の酸素を肺でキャッ チするのは、赤血球に含まれているヘモグロビン(鉄)の働きです。
次に、血液に摂取さ れた酸素を筋肉まで運搬していくのもヘモグロビンの働きです。
そして、赤血球が運んで きた酸素を受け取って筋肉に貯蔵するのは、これも鉄の仲間のミオグロビン(鉄)の働き です。
最後に、酸素を使ってエネルギー源を分解して筋肉運動のためのエネルギーを生産 するのが、筋肉のミトコンドリアに含まれるチトクローム(鉄)の働きです。

鉄はこのよ うにスタミナづくりのメカニズムの中で、核の役割を果たしています。

スポーツ選手に多 い貧血症は鉄(ヘモグロビンや体内貯蔵鉄)の不足が原因です。
これはトレーニングによ って赤血球が破壊したり、ミオグロビンが血中に漏出したり、鉄の体外排泄量が多くなる からです。






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